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ママの読書

 03, 2013 21:19
ママは仕事柄、児童書を中心に本をたくさん読みます。

特に去年の夏は一夏で50冊くらいは読みました。

仕事とからんで半強制的に読んだのです。

強制的に読む本は、あんまり楽しくないですが
それでも、時にははっとするような本に出会うことがあります。

ママが前から好きで、ことあるごとに読み返している本を今日は紹介したいと思います。

それは湯本香樹実さんの『夏の庭』です。

釣りバカ日記のすーさん(三国廉太郎さん)がおじいさんを演じて映画化もされているので
ご存じの方も多いと思いますが、あえて。

この物語は小学校6年生の男の子3人組が、
人の死ぬところをみてみたいという不謹慎な興味から
近所で一人暮らしをしているおじいさんを観察し始めるところから始まります。

ところがその観察がいつしか3人の少年とおじいさんの心の交流を生み出すのです。

子どもたちの心それぞれにおじいさんへの思いが芽生えるころ
おじいさんは一人で旅立っていきます。

おじいさんを見送った3人はその後、それぞれの人生を歩み出す という物語なのですが、

ママがいつも心に残るセリフは

物語の語り手の少年が次のように語る場面のものです。


「ぼくが大人になったら、
いつかのようにいっしょにお好み焼き屋でビールを飲むことだってできただろう。
そうすることができないのは、すごくさびしい。心細い。
だけどそれは、結局はぼくの問題なのだ。
おじいさんは、充分、立派に生きたのだ。おじいさんの白い骨が、
ぼくにそう教えてくれている。
ほんとうに、めいっぱい生きたのだ、と。」

昨年は、ちょうど18年 一緒に暮らした愛犬を亡くしました。

そして、ブログを通して知った長寿のにゃんこさん(20歳)や

わんこさん(19歳)がこの暮れからお正月にかけて

続けて虹の橋を渡りました。



私は今年の写真を整理しようとして

暮れにうっかり、先代犬の写真を見てしまい滝のような涙が出てしまいました。

でも、そういう思いにかられるたびにこの物語のこの場面を思い出すのです。


ももがいなくなって寂しい。

けれどそれは結局はわたしの問題なのだと。

ももは充分、立派に生きたのだ。ももの白い骨が、わたしにそう教えてくれている。
ほんとうに、めいっぱい生きたのだ、と。



お正月にふさわしい話題とも思えませんが、読んでくださってありがとうございます。

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COMMENT 6

らぱん  2013, 01. 05 [Sat] 12:13

NoTitle

「夏の庭」かなり前に読みましたが
私も好きな本です。
また読み返してみようかな(*^_^*)

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すみれママ  2013, 01. 05 [Sat] 12:19

★らぱんさん

『夏の庭』好きな方がいらして嬉しいです。
『ポプラの秋』もこちらは大人向きでじんと来ますよね~。

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NTL  2013, 01. 05 [Sat] 15:40

NoTitle

The tenth good thing about Barney。和訳が出ていますよね。私は子育て中にこの本を読んだ時、あんまりピンとこなかったんですよ。でも、作者の他の本を読んでわかってきました。
天国に行ったとか、お星様になったとかあえて言わず、ペットの「生き物としての一生」を、死も含めるにより、子供はちゃんと受け入れられる… 子供を「小さな人間」として描くこの作者の言いたいことかな、と思うに至りました。
感動を呼ぶ本ではないんですが、悲しみ、悼み、寂しく思いつつ、生と死を受け入れることを、シンプルに教えてくれる、これは大人にもいい本だと、思うんですよ。
私は和訳を読んだことがないんですが、あの淡々とした文調がちゃんと訳されているといいな、と思います。

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すみれママ  2013, 01. 05 [Sat] 15:51

★NTLさん

『ぼくはねこのバーニーがだいすきだった』というタイトルの本でしょうか。
読んだことがないので、さっそく入手してみたいと思います。
本のレビューを読むと、興味深いと思いました。教えてくださってありがとうございます。

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こゆきうさぎ  2013, 01. 17 [Thu] 16:44

ずっとコメントしようと思ってて、遅くなってしまいました

私もすみれママさんと同じです
そう…結局は、私達の問題
充分、立派に、めいっぱい生きたんですもんね

死を受け取り、理解しなくてはという焦りや恐怖、寂しさ
認めたくない気持ち……
それらは、なかなか整理つかないし、

しようと思えない時期もあります
私も時々、思いが溢れて、泣きます
そういう時は、やっぱり、
懸命に生きていた、生き抜いたしゅーちゃんを
思い出して、心落ち着かせます

ご紹介ありがとう
こーちゃんがこういう本をよく読むので
薦めてみたいと思います

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すみれママ  2013, 01. 17 [Thu] 19:19

★こゆきうさぎさん

コメントありがとうございます。
小さなお子さんを亡くされた悲しみは
わんこの比ではないと思います。
(ワンコはおそらく自分より先に行くだろうって予想していますから)

またこれからも本を紹介していきたいと思います。
よかったら読んでみてください。

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